ホームScienceカロリー制限は「体重とは無関係」に老化を抑える──鍵は免疫タンパク質C3

カロリー制限は「体重とは無関係」に老化を抑える──鍵は免疫タンパク質C3

カロリー制限は体重減少を伴わなくても健康に良い影響を与えることが分かってきており、その鍵として免疫タンパク質C3が注目されている。

過度な食事制限は免疫低下を招くが、適度な制限は老化や炎症を抑える可能性がある。イェール大学の研究では、2年間で摂取カロリーを約14%減らした人々の免疫機能が向上し、成長や生殖への悪影響も見られなかった。

CALERIE試験の血漿解析では7,000以上のタンパク質が特定され、その中でC3が大きく減少していた。C3は本来肝臓で作られるが、加齢に伴う増加は内臓白色脂肪組織に由来し、加齢関連マクロファージが産生していることが判明した。

マクロファージは感染防御と組織維持に重要な細胞であり、この変化は老化の仕組みに深く関わる。研究者は当初、脂肪減少がC3低下の原因と考えたが、BMIデータから体重減少とは無関係であることが示された。

マウスでC3活性を薬剤で抑えると加齢性炎症が低下し、若い時期に有益な仕組みが後年に害となる「拮抗的多面発現」理論を支持する結果となった。本来感染防御のために進化したC3が、寿命の延びた現代では病気の原因となり得るため、C3を適度に下げることが健康寿命の延伸につながる可能性がある。

現在、研究者たちはFDA承認薬で安全にC3活性を抑え、人間の老化を遅らせられるかを調べており、重要なのは補体系を除去するのではなく、そのバランスを回復させることだとしている。

用語解説

【補体系】

補体系とは、血液中のタンパク質が連鎖的に活性化して病原体を排除する免疫システムの一部。約50種類のタンパク質が関わり、異物を見つけるとカスケード反応でC3などが分解され、炎症を起こして免疫細胞を呼び寄せ、最終的に細菌の膜を破壊する。過剰に働くと慢性炎症や自己免疫疾患の原因にもなる。

Scientists Identify Immune Protein That Could Mimic Anti-Aging Effects of Calorie Restriction

出典:SciTechDaily

https://scitechdaily.com/scientists-identify-immune-protein-that-could-mimic-anti-aging-effects-of-calorie-restriction

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