ホヤに短時間の電気パルスを与えると、老化が大きく逆転するという研究が、UCサンディエゴやスタンフォード大学の研究者によって報告された。
ホヤは人間と約70%の遺伝子を共有し、毎週のように体を再構築するため幹細胞研究に適している。研究チームは、群体内の個々のホヤが持つ心臓の鼓動を電気刺激で高めれば、成長や再生に影響が出ると考え、ペースメーカーを用いて電気パルスを与えた。
その結果、ホヤの心拍は上昇し血流が改善、数日以内に体が大きくなり色が明るくなり、若返ったような外見を示した。成長速度や繁殖力も向上し、治療群の約75%が1年後も健康だったのに対し、未治療群は20%未満しか生存しなかった。
遺伝子発現を調べると、電気刺激によって一時的に遺伝子活動が低下し、その後大きく反発する「再起動と回復」が起きていた。これは激しい運動後の人間の遺伝子反応と似ており、ミトコンドリアや代謝の再活性化が若返りの鍵と考えられる。
将来的にはサンゴ礁の保護などへの応用も想定されるが、人間への応用にはさらなる研究が必要だと研究者たちは述べている。
用語解説
【遺伝子発現】
遺伝子発現とは、DNAに書かれた遺伝情報が実際に働いてタンパク質などが作られる一連の過程のこと。まずDNAが読み取られてmRNAが作られ(転写)、次にmRNAをもとにタンパク質が合成される(翻訳)。細胞は必要に応じて遺伝子のオン・オフや発現量を調整し、成長、代謝、免疫などあらゆる生命活動をコントロールしている。
Electrical Pulses Reverse Aging in Sea Squirts
出典:UC SAN DIEGO TODAY
https://today.ucsd.edu/story/electrical-pulses-reverse-aging-in-sea-squirts
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