ホームScience100歳でも元気に 沖縄の秘密「高炭水化物・低たんぱく」の伝統食

100歳でも元気に 沖縄の秘密「高炭水化物・低たんぱく」の伝統食

沖縄は世界でも突出した長寿地域として知られ、100歳以上の高齢者が人口10万人あたり68人と、米国の3倍、日本国内平均より40%多い。しかも彼らは単に長生きするだけでなく、晩年まで自立した生活を送り、心血管疾患、がん、糖尿病、認知症といった老化関連疾患の発症率も極めて低い。

この背景を解明するため、1975年から続く沖縄百寿者研究(OCS)は遺伝子、生活習慣、食事を長期的に調査してきた。遺伝的には、心臓病やアルツハイマー病のリスクを高めるAPOE遺伝子を持つ人が少なく、老化関連疾患のリスクを下げるFOXO3遺伝子型を持つ人が多いとされる。

しかし遺伝だけでは説明しきれず、喫煙率の低さ、農漁業による身体活動の多さ、強い地域コミュニティによる社会的つながりなど、生活習慣も大きく寄与している。中でも最も注目されるのが食生活で、沖縄の伝統的な食事はサツマイモを中心とした高炭水化物・低たんぱく質の構成で、炭水化物とたんぱく質の比率は10対1に近い。この「沖縄比率」は、近年の動物実験や疫学研究で、老化関連疾患を抑え寿命を延ばす可能性が示されている。炭水化物を多く、たんぱく質を少なくすると、細胞が新しい材料を作るよりも修復や保全にエネルギーを回すようになり、劣化したたんぱく質の蓄積を防ぐと考えられている。

また、沖縄の伝統食はビタミン・ミネラル・抗酸化物質が豊富で、摂取カロリーも低かったため、カロリー制限が老化を遅らせるという説とも一致する。実際、アカゲザルの実験ではカロリーを30%減らすと老化関連疾患による死亡が63%減り、見た目も若々しかった。人間での長期試験は難しいが、短期試験では心血管系の改善が確認されている。

ただし、沖縄式食生活をそのまま模倣すべきかは慎重な議論が必要で、65歳までは低たんぱく食が有益でも、それ以降はむしろたんぱく質を増やした方が良い可能性もある。また、たんぱく質の質も重要で、植物性たんぱく質中心の食事の方が健康に良いとされる。

結局、沖縄の長寿は遺伝、食事、身体活動、社会的つながりなど複数の要因が相互に作用した結果であり、単一の「秘訣」で説明できるものではない。若さのレシピを完全に解明するには、今後も多角的な研究が必要だと専門家は指摘している。

用語解説

【OCS】

OCS(Okinawa Centenarian Study、沖縄百寿者研究)は、1975年から沖縄県の100歳以上の高齢者を対象に行われている世界的にも重要な長寿研究だ。150以上の島で生活する高齢者の健康状態、生活習慣、食事、遺伝子などを長期的に調査し、なぜ沖縄に病気が少なく元気な百寿者が多いのかを科学的に解明しようとしている。これまでに1000人以上の百寿者が調査され、沖縄の長寿の特徴を示す貴重なデータが蓄積されている。

沖縄の長寿、秘密は「高炭水化物食」にあり?

出典:BBC

https://www.bbc.com/japanese/47607624

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