ホーム美容医療美容医療が長寿科学に接続する瞬間 レーザーが皮膚の生物学的年齢を巻き戻す可能性

美容医療が長寿科学に接続する瞬間 レーザーが皮膚の生物学的年齢を巻き戻す可能性

近年、美容医療で用いられるレーザー治療が、単なる外見の改善を超えて、皮膚の生物学的老化そのものに影響を及ぼす可能性が示されている。

Candela社のNordlys非アブレイティブ・フラクショナルレーザーを用いた最新のヒト研究は、皮膚老化に伴う分子変化を逆転させ、皮膚のエピジェネティックプロファイルを再構築する初の生体内証拠を提示した。

従来のレーザー治療はしわや色素沈着など外見の改善に注目されてきたが、本研究はその背後で細胞レベルの変化が進行していることを示唆している。

研究では22名の成人を対象に、顔の片側のみを治療するスプリットフェイス法を採用し、治療の影響を精密に比較した。評価には写真や医師の判断だけでなく、DNAメチル化パターンという生物学的年齢の指標が用いられ、ゲノムの380万か所以上を解析した結果、治療に反応した加齢関連部位の約84%で老化とは逆方向の変化が確認された。

興味深いのは変化の時間経過であり、治療直後ではなく1か月後に現れ始め、その後数か月にわたり強まり、6か月後でも安定していた点は、皮膚が治療後も自律的に再構築を続けていたことを示す。分子変化は外見にも反映され、VISIAによる評価では治療側の茶色いシミが中央値で38%減少し、質感や色調も改善した。治療が影響した遺伝子はコラーゲン産生や皮膚バリア機能など健康な皮膚維持に関わるもので、一時的な美容効果ではなく、皮膚の機能的回復を促す可能性が示された。

また、基底細胞がんや扁平上皮がんに関連する遺伝子のメチル化変化も観察され、過去の臨床研究で示された角化細胞がんリスク低下と整合する分子的説明が得られた。

レーザーががん予防治療になるわけではないが、再生医療的介入が長期的な皮膚の健康に寄与し得る新たな視点を開く結果となった。皮膚は最大の臓器であり老化の重要な指標であることから、外見ではなく細胞内部の変化を重視する長寿研究の潮流とも合致している。

A cosmetic laser may be doing something science has struggled to achieve: changing the biology of aging skin, not just how it looks.

出典:Longevity.Technology

https://longevity.technology/news/laser-treatment-found-to-reverse-skin-aging-markers

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用語解説

【エピジェネティック】

エピジェネティックとは、DNAの塩基配列そのものを変えずに、遺伝子の働き方(発現量)を調節する仕組みの総称である。代表的なものにDNAメチル化やヒストン修飾があり、これらは生活習慣、環境、加齢などの影響を受けて変化する。エピジェネティック変化は細胞の状態や生物学的年齢を反映するため、老化研究や再生医療で重要な指標として注目されている。

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