ホームScience寿命4カ月の魚で老化研究が加速 大阪大がターコイズキリフィッシュの遺伝子改変に成功

寿命4カ月の魚で老化研究が加速 大阪大がターコイズキリフィッシュの遺伝子改変に成功

大阪大学の石谷太教授らは、寿命が3〜4カ月と極端に短い脊椎動物「ターコイズキリフィッシュ」を用い、遺伝子を効率よく改変する新技術を開発した。

乾燥地帯の雨期と乾期に適応する過程で寿命が短くなったとされるこの魚は、成長と老化が非常に速く、老化研究に理想的なモデルとして注目されてきた。しかし卵の殻が硬く、遺伝子改変が難しいことが大きな障壁となっていた。

研究チームは、硬い卵に正確に針を刺すための仕組みと最新のゲノム編集技術を組み合わせることで、この課題を克服した。これにより、特定の遺伝子を破壊したり、遺伝子が働くタイミングで光らせたりする操作が可能になり、実際に色素のない個体や尾のない個体の作製にも成功した。

老化を促進・抑制すると考えられる遺伝子の働きを短期間で検証できるようになり、脊椎動物として人に近いモデルで老化メカニズムを解析できる点が大きな意義を持つ。

従来、成長が早く遺伝子改変が容易な生物としてショウジョウバエなどが使われてきたが、無脊椎動物であるため人の老化研究には限界があった。

今回の成果はその壁を越えるもので、石谷教授は、人の老化研究やアンチエイジング要因の評価を飛躍的に加速させる可能性があると述べている。

用語解説

【ゲノム編集】

ゲノム編集とは、生物が持つDNAの特定の場所を狙って切断し、配列を「書き換える」技術のこと。代表的なCRISPR-Cas9などを使い、遺伝子を壊したり、別の配列に置き換えたり、働きを調整したりできる。従来より正確で効率が高く、短時間で改変できる点が特徴で、病気の原因遺伝子の研究、作物改良、再生医療など幅広い分野で活用が進んでいる。

老化の研究、魚で効率よく 大阪大学

出典:日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1446M0U2A710C2000000

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