ホームScienceメトホルミンが金属濃度を調整 亜鉛を高めることを発見

メトホルミンが金属濃度を調整 亜鉛を高めることを発見

神戸大学の研究グループは、糖尿病治療薬メトホルミンがヒトの血液中の金属濃度に影響を与えることを、世界で初めて臨床研究で示した。

銅・鉄・亜鉛といった必須微量元素は生命維持に不可欠で、過不足は代謝異常や炎症、糖尿病悪化に関わる。糖尿病患者では銅や鉄が高く、亜鉛が低下する傾向が知られているが、薬物がこの金属バランスにどう作用するかは未解明だった。

研究では、メトホルミンを6か月以上服用する2型糖尿病患者93人と、非服用者96人の血中金属濃度を比較した。

その結果、服用者では銅と鉄が有意に低く、亜鉛が高いことが確認され、年齢や腎機能、血糖コントロールなどを調整してもこの傾向は変わらなかった。

銅や鉄の過剰は高血糖や合併症リスク上昇と関連し、亜鉛不足は血糖悪化と結びつくため、メトホルミンが金属濃度を調整することで血糖降下作用や合併症予防に寄与している可能性が示唆される。

メトホルミンには古くから金属キレート作用が知られており、今回の銅低下はその作用による可能性もある。金属動態の変化は抗炎症作用や抗腫瘍作用とも関連する可能性があり、メトホルミンの多面的な効果を説明する新たな仮説となる。

今後は服用前後の金属濃度の推移を追跡し、血糖改善や合併症抑制との因果関係を検証することが課題であり、分子レベルの解析と併せて、金属濃度を標的とした新たな治療戦略につながる可能性がある。

用語解説

【キレート】

キレートは、分子が金属イオンにがっちり抱きついて動きを抑える仕組みのこと。金属をつかんで安定した形に変えることで、体の中で金属が余計な反応を起こすのを防いだり、逆に必要な働きを調整したりできる。重金属中毒の治療では、有害な金属をつかんで体の外へ排出しやすくするために使われる。薬によっては、この金属をつかむ性質が作用の一部になっている場合もあり、メトホルミンの金属濃度への影響もその一例と考えられている。

糖尿病治療薬メトホルミンが血中の金属濃度に影響 金属キレート作用により血糖降下や合併症予防への関連を示唆

出典:神戸大学

https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20250901-67043

関連記事:NMN以上に効果あり Rejuvantの実力

RELATED ARTICLES
- Advertisment -
Google search engine

Most Popular

Recent Comments