研究では、ガーデニングが認知機能を維持し、健康寿命を延ばす効果があることが示されており、ノルウェーでは認知症患者向けにケアファームが導入されている。
スイスで長年働き学び続けてきたログスタッドは帰国後に認知症と診断され孤立したが、オスロ郊外のケアファームに参加して再び刺激とつながりを得た。ケアファームは「働きたい」「人と関わりたい」という衝動に応える場として設計され、主体性や自立心を取り戻す助けとなる。
ガーデニングはBDNF(脳由来神経栄養因子)やVEGF(血管内皮増殖因子)といった脳の健康に関わるタンパク質を増やし、認知症リスクを下げることが研究で示されている。
毎日ガーデニングを行う人は認知症発症率が36%低く、注意力向上、ストレス軽減、転倒減少、薬への依存低下など多面的な効果も確認されている。
自然環境そのものにも回復効果があり、木々を見るだけで痛みやストレスが軽減されることが、スウェーデンのチャルマース工科大学の建築学教授であり医療環境デザインの世界的専門家ウルリッヒの研究で示された。これは進化的に自然環境での回復が有利だったためと考えられる。
また、自然は都市生活で消耗した注意力を回復させる働きも持つ。ガーデニングは身体活動を促し、心停止リスクや骨密度にも良い影響を与える。認知症患者にとっては気分や行動、コミュニケーション能力の改善が特に大きく、ヨーロッパ各地で認知症向けケアファームが増えている。作業の成果が目に見えることや、他者の動きを見て手順を思い出せる点も利点である。
先ほどのログスタッドは週3日農場で作業し、自然の中で過ごす時間が家にいるよりもはるかに心地よいと語っている。
ガーデニングが健康寿命を延ばす一助になる。このことを科学的データが裏付け始めている。
用語解説
【BDNF】
BDNF(脳由来神経栄養因子)とは、脳の神経細胞の成長・維持・修復を助ける重要なタンパク質です。ニューロン同士のつながり(シナプス)を強化し、学習や記憶の能力を高める働きを持ちます。加齢やストレスでBDNFは減少しますが、運動などで増えることが分かっています。BDNFが高いほど脳の可塑性が保たれ、認知症リスクの低下にもつながると考えられています。
How gardening can help you live better for longer
出典:BBC
https://www.bbc.com/future/article/20250509-how-gardening-boosts-brain-health
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