オートファジー研究は、老化が「避けられない運命」ではない可能性を示しつつある。
細胞が自らを分解・再利用するこの仕組みは、体内のメンテナンス機能として働き、細胞の若さ維持や病気予防に深く関わっている。吉森保・大阪大学栄誉教授は、オートファジーが細胞内の老廃物除去や新陳代謝、病原体の排除まで担う多機能な仕組みであることを明らかにしてきた。
しかし、この働きは60歳頃から急速に低下し、がんや認知症など加齢関連疾患の増加と関連する可能性があるという。
低下の鍵を握るのが「ルビコン」というブレーキ役のたんぱく質で、加齢や脂肪肝で増えることが確認されている。ルビコンを欠く動物では寿命が延び、活動性も高まった。
オートファジーを維持するには、睡眠リズム、適度な運動、脂っこい食事を控えることが重要とされ、スペルミジンやレスベラトロール、ウロリチンなど食品成分にも活性化作用が報告されている。
吉森教授は産学官連携で研究を進め、サプリ開発や測定技術の実用化にも取り組んでおり、将来は自分のオートファジー状態を把握し、生活習慣で老化速度を調整できる時代が期待されている。
細胞が若返るオートファジー機能 活性化で老いを抑制
出典:日本経済新聞 NIKKEI STYLE(アーカイブ)
https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXZQOLM222780S2A320C2000000
