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エピジェネティック時計を超える精度 老化をリアルタイムに捉えるtAge誕生

round black and brown analog clock

老化は慢性疾患の大きな危険因子だが、同じ年齢でも進行には個人差がある。その差を正確に測る指標は長年求められてきた。従来の「エピジェネティック時計」は年齢推定には有用だが、臓器横断的な分子変化や死亡リスクを直接反映できず、時間的・空間的変化の把握にも限界があった。

そこで東北大学とハーバード大学の研究チームは、米国NIA(米国国立老化研究所)の寿命介入試験で得られた20種類のマウス介入データと1万件超の公開データを統合し、老化や疾患に伴う分子変化を「死亡リスク」として定量化する新しいトランスクリプトーム時計「tAge」を開発した。

これは複数の臓器や細胞種に共通する遺伝子発現パターンを基に、生物学的年齢や寿命調整年齢を推定できる手法で、炎症・免疫応答の亢進やミトコンドリア機能低下など老化に特徴的な変化を26の遺伝子モジュールとして捉えることに成功した。

tAgeは早老症や慢性疾患では加齢方向に、細胞リプログラミングやパラバイオーシス(異時性並体結合)などの若返りモデルでは逆方向に変化し、従来法よりリアルタイム性が高いことが示された。

また血中タンパク質解析から、複数疾患に共通して死亡リスク上昇に関わる因子も特定された。研究チームは誰でも解析できるオンライン基盤TACOも公開している。

今後はヒト臨床データへの応用が期待され、老化関連疾患の早期リスク評価や治療効果の判定、健康寿命延伸研究に役立つ可能性がある。ただし現時点では研究用途に限られ、臨床応用にはさらなる検証と標準化が必要とされる。

今回のこのtAgeの開発は従来のエピジェネティック時計に加えて新たな測定方法が誕生する兆しと言えそうだ。

用語解説

【エピジェネティック時計】

エピジェネティック時計とは、DNAのメチル化パターンなど遺伝子の働き方(エピジェネティクス)の変化を解析し、生物の実際の老化度(生物学的年齢)を推定する指標である。暦年齢とは異なり、生活習慣や病気、環境要因による影響が反映されるため、個人差の大きい老化の進み具合を数値化できる点が特徴とされる。

老化・慢性疾患・若返りに共通する「死亡リスクを推定する指標」を開発―RNA-seqデータから加齢を測定―

出典:日本医療研究開発機構

https://www.amed.go.jp/news/release_20260618.html


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