身長と寿命の関係についての研究は多岐にわたり、短身の人が長生きする傾向を示す結果が複数報告されている。
イタリア軍兵士の縦断研究では、161.1cm未満の男性がそれ以上の男性より約2年長く生きるとされ、元プロバスケットボール選手の調査でも、身長上位5%の選手は下位5%より寿命が短い傾向が示された。さらに、日系アメリカ人男性を対象とした研究では、157cm以下の男性が長寿に関連するFOX03遺伝子の防御的型を持つ可能性が高く、がん発症率や空腹時インスリン値も低かった。
背の低い人が長寿になりやすい理由として、必要なカロリー量が少ないこと、細胞数が少なく活性酸素や発がん物質の影響を受けにくいこと、細胞分裂回数が少なく加齢による修復能力の低下が起こりにくいことなどが挙げられる。
一方、背の高い人はがんや全死因死亡のリスクが高まる傾向があり、特に閉経後女性では身長が高いほど甲状腺、乳がん、結腸がん、卵巣がんなどの発症率が上昇することが示された。また、静脈血栓塞栓症(VTE)は背の高い女性で再発しやすいとされ、脚や静脈が長いことが一因と考えられている。
ただし、これらの研究は決定的ではなく、身長だけで寿命が決まるわけではない。喫煙や飲酒、食生活、運動、体重管理、ストレス、環境など生活習慣が寿命に大きく影響するため、身長に関係なく健康的な生活を選ぶことが長寿への最も確実な道である。
用語解説
【FOX03遺伝子】
FOX03遺伝子は、細胞のストレス応答や老化の進行を調整する重要な制御遺伝子で、長寿研究の中心的存在となっている。特にインスリン/IGF-1シグナル伝達経路を調節し、細胞の修復や生存に関わる働きを持つため、寿命との関連が強く示されている。人間や動物の研究では、FOX03の特定の型を持つ人はがんや生活習慣病の発症率が低く、長寿である傾向が確認されている。
Evidence That Short People Live Longer: What We Know
出典:healthline
https://www.healthline.com/health/do-short-people-live-longer#additional-theories
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