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タンパク質を減らすと老化が遅くなる──350の研究から見えた新事実

a black bowl filled with brown eggs on top of a table

近年、タンパク質強化食品が市場を席巻し、シリアルや飲料にまで高タンパク化の波が広がっている。

しかし、350以上の研究を統合した大規模レビューは、こうした「高タンパクブーム」が多くの人にとって必ずしも健康的ではない可能性を示している。レビューによれば、タンパク質摂取量を減らすことは代謝機能を改善し、炎症や細胞損傷を抑え、細胞が正常な働きを維持するのを助けるなど、老化の進行を遅らせる効果があるとされる。特に、タンパク質を減らすことで増加するFGF21というホルモンは、エネルギー消費の増加、血糖調節の改善、炎症の低減に寄与し、マウス研究ではFGF21のレベルが高い個体は通常のマウスより長寿であることが示された。

また、タンパク質を構成するアミノ酸のうち、メチオニン、イソロイシン、バリンなどは過剰摂取によって成長促進系のシグナル経路を過度に活性化し、肥満や炎症など老化関連疾患のリスクを高める可能性がある。こうした知見は、座りがちな生活を送る多くの成人が現在摂取しているタンパク質量が、集団レベルで健康に悪影響を及ぼしている可能性を示唆している。一方で、タンパク質摂取量を増やすことが高齢者の筋肉量維持や減量に役立つという研究も存在し、アスリートは大量のタンパク質を摂取しても代謝疾患を起こしにくいことから、身体活動量がタンパク質の使われ方に大きく影響していると考えられる。

こうした複雑な知見を踏まえ、研究者たちはタンパク質の推奨量を一律に示すのではなく、年齢だけでなく身体活動量に応じて個別化する必要があると結論づけている。妊娠中の女性や特定の高齢者など、より多くのタンパク質を必要とする集団が存在する一方で、運動量の少ない成人にとっては高タンパク食品が期待されるほどの健康効果をもたらさない可能性が高い。

このレビューは、タンパク質摂取と老化の関係を再評価し、現代の食生活におけるタンパク質の位置づけを見直す重要な示唆を提供している。

今回の記事に紹介されたレビューはCell PressのジャーナルCell Press Blueに7月31日に掲載された。

Eating less protein could slow aging, major review finds

出典:ScienceDaily

https://www.sciencedaily.com/releases/2026/08/260801042811.htm

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用語解説

【タンパク質の摂取量】

体が筋肉維持や代謝に使うために必要とするタンパク質の量。日本では成人の推奨量は男性60g・女性50g/日が基準とされる。一方アメリカでは最新の推奨が引き上げられ、体重1kgあたり1.2〜1.6g/日とされ、体重60kgなら72〜96gが目安になる。国によって基準が異なるのは、生活習慣や活動量の違いが大きいため。

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