パーキンソン病治療に用いるiPS細胞由来の再生医薬品「アムシェプリ」が、2026年5月20日から公的医療保険の対象となる。
薬価は1人あたり5530万6737円と高額だが、高額療養費制度により患者の自己負担は年収370万~770万円の場合で53万円に抑えられる。
アムシェプリは住友ファーマが開発し、秋ごろに販売開始、年内に初の移植を目指す。iPS細胞を使った再生医療が実用化されるのは世界初となる見通しで、既存薬で効果が得られない患者が対象となる。
承認は症例数が少ないため7年間の条件付きで、この期間に35人を対象に治験を継続し、有効性と安全性を検証する。2030年以降には対象拡大と本承認を目指す。
パーキンソン病は高齢者100人に1人が発症し、ドーパミンを作る神経細胞の減少が原因で震えやこわばりが生じる。
アムシェプリは他人由来のiPS細胞をドーパミン産生細胞のもととなる細胞へ分化させ、脳に移植して不足分を補う仕組みで、薬とは異なり長期的な効果が期待される。京大の治験では7人中4人で運動機能が改善し、拒絶反応やがん化も確認されなかった。
今回の保険適用は日本発のiPS医療が実際の患者治療へ踏み出した大きな一歩だが、治験規模が小さいため今後の慎重な検証が不可欠とされる。同時に、重症心不全向けiPS細胞製品「リハート」も条件付き承認され、価格と保険適用は今夏に決まる見通しだ。
用語解説
【iPS細胞】
iPS細胞は、皮膚や血液などの体細胞に特定の遺伝子を導入して作られる「人工的に初期化された細胞」で、ほぼ無限に増え、あらゆる細胞へ分化できる能力を持つ。2006~07年に山中伸弥教授らが確立し、再生医療や創薬研究に大きな役割を果たしている。失われた組織や臓器の機能回復に利用できる可能性が高く、パーキンソン病など難病治療への応用が進む。
iPS製品に医療保険適用 薬価5000万円、年内治療へ パーキンソン病、世界初
出典:産経新聞
https://www.sankei.com/article/20260513-MXBLQWZFG5P63G6WZEVQDT4TZQ
