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長期的な経済的困難が脳の老化や認知機能低下を加速させる

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今回ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)が行った研究は、数十年にわたる経済的困難が中年期以降の認知機能や脳の健康にどのような影響を及ぼすかを、1946年英国コホート研究のデータを用いて検証した。

その研究によれば、若年期から中年期にかけて継続的に低所得であった人々や、生活費のやりくりや請求書の支払いに繰り返し困難を抱えた人々は、53歳時点の認知テストで成績が低く、さらに69〜71歳で実施された脳MRIでも脳萎縮や脳室拡大といった脳の健康悪化の兆候が強く見られた。こうした関連は、幼少期の認知能力や教育歴、幼少期の不利な環境といった他の要因を調整した後でも残り、経済的困難の「蓄積」が脳の老化に影響することが示唆された。

特に男性、幼少期に不利な環境を経験した人、そしてアルツハイマー病リスクを高めるAPOE-ε4を持つ人々では、経済的逆境と脳の健康悪化の関連がより強かった。男性の場合、喫煙や飲酒など不健康な行動の割合が高いことや、1946年生まれの世代では家計の主な稼ぎ手であることが多く、金銭的プレッシャーによるストレスが大きかったことが理由として考えられている。

経済的困難が脳の老化を早めるメカニズムとしては、慢性的なストレスによる炎症の亢進や、金銭問題への継続的な不安が認知負荷を高め、精神的資源を消耗させる可能性が指摘されている。また、53歳時点で認知機能がすでに低下していたため、その後の記憶スコアの低下が相対的に緩やかに見えたという予想外の結果も示された。

研究は、参加者の収入や生活困難を数十年にわたり追跡し、継続的な低所得や困難の基準を満たした人々が全体の約6人に1人、あるいは8人に1人に上ったことを示している。UCLが主催するこのコホート研究は世界最長の出生コホート研究であり、参加者は今年80歳を迎えた。

研究者らは、慢性的な貧困を減らし、経済的困難に直面する人々を支援することが、将来の認知機能低下や認知症の予防につながる可能性を強調している。

Long-Term Money Problems May Accelerate Brain Aging

出典:SciTechDaily

https://scitechdaily.com/long-term-money-problems-may-accelerate-brain-aging

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用語解説

【脳室】

脳室は脳の内部にある液体で満たされた空間で、脳脊髄液が循環する通路として機能する。左右に一対の側脳室があり、その下に第三脳室、さらに細い管を通じて第四脳室へとつながる。脳脊髄液は衝撃から脳を守り、老廃物の排出や脳内環境の維持に重要な役割を果たす。加齢や病気で脳組織が萎縮すると、相対的に脳室が拡大することがあり、これはMRIで脳の健康状態を評価する指標として用いられる。

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